株式会社Next Aidが選んだAI導入の決め手は「拡張性」。問い合わせ対応から社内教育まで、AIを“頼れる存在”に
- Yosuke Kohno
- 10月22日
- 読了時間: 6分

AI エージェント / 株式会社Next Aid
「もう現場が回らない」──事業拡大に伴う問い合わせ急増と、回答品質のばらつきがAI導入の引き金に
ー 導入前はどのように問い合わせ対応をされていて、どんな状況だったのでしょうか?
問い合わせ対応は基本的にカスタマーセンターに委託しているんですが、どうしても社内のスタッフじゃないと答えられない内容もあって、そのたびに本来やるべき業務を後回しにして対応しなければならない場面が頻繁にありました。
特にモバイル事業に関しては、LINEのオープンチャットを立ち上げて、私自身が直接問い合わせ対応をしていたんです。端末の種類によって回答が変わるので、その都度調べてから答える必要があり非常に工数がかかっていました。
さらに節約インフラサービスの事業もスタートしたことで、問い合わせが一気に増えてしまいまして……。これはもうAIを活用して工数を削減しないと現場が回らない、と経営陣で話し合うようになったんです。少しでも問い合わせの数を減らし、効率的に対応できる仕組みを作るためにAI導入を検討し始めました。
ーこれまでカスタマーセンターと社内スタッフとの連携はどうされていましたか?
新しい情報が出るたびにカスタマーセンターには共有しているんですが、どうしても現場の中でうまく連携しきれていないことがあったんです。連携ができていても、スタッフ一人ひとりの知識量に差があるので、回答にばらつきが出てしまったり、時には『できないことをできる』と誤って答えてしまうようなヒューマンエラーも発生していました。
特に節約インフラサービスに関しては膨大な数の商品があって、それぞれ規約の細かい部分までしっかり理解しているスタッフもいれば、十分に把握しきれていないスタッフもいる。だから全員に同じレベルで共有するのが非常に難しいという課題がありました。
さらに、想定していなかった問い合わせが入ると、その都度新しいルールをつくって現場に共有しなければならない。どうしても臨機応変な対応が求められていたんです。
なので、あらかじめ想定できる問い合わせについては人が手をかけるのではなくAIに任せていくべきだと考えていました。

ー導入前に感じられていた課題について教えてください。
私たちは月に一度、代理店向けにオンライン事業説明会を開いて、最新情報の共有などを行っているんですが、代理店の数がどんどん増えてきて、一度に参加できる人数の上限を超えてしまったんです。その結果、全員に一斉に情報を届けることが難しくなってしまいました。
また、年に1〜2回はオフラインのイベントを開催して、新商品の情報や今後の会社の展望などを共有する場を設けているんですが、やはり全員に情報が行き渡るわけではなくて……。そのために質問が増えてしまう、という課題を抱えていました。
ー弊社サービスの存在をどのように知りましたか? また、導入に至るまでの経緯を教えてください。
AIチャットボットを扱っている業者を探していたときに見つけたうちの一社がVOC.AIさんでした。実際には、VOC.AIさんを含めて2社でトライアルを行って、その上で導入を決めたんです。
他社のチャットボットはシンプルで直感的に使えそうな印象がありました。一方で、VOC.AIさんのシステムは最初は複雑で少し難しそうに感じたんですが、その分できることの幅が広く、拡張性が高いと感じたことが決め手になりました。
確かに難しいシステムではあるんですが、サポート体制がしっかりしているので安心して使えていますし、特にメールの自動返信機能は他社にはない大きな魅力でした。現在はチャットボットだけを運用していますが、今後はメールの自動返信にも活用していきたいと考えています。
ーAIを導入することで不安なところはありましたか?
正直、不安はほとんどありませんでした。業務の中で試しにChatGPTを使ってみたことがあったんですが、簡単な質問でもかなり精度の高い回答が返ってきたり、社内スタッフに資料作成を頼んだらAIを活用してすぐに仕上げてきたりと、『これは業務効率化に欠かせないな』と実感していたんです。
ですから、AIを専門に扱う業者さんにお願いすれば、さらに精度の高いものができるだろうという期待のほうが大きかったですね。AIはどんどん進化しているという話も耳にしていたので、業務効率化のためであればサブスク費用を払ってでも使う価値があると感じました。
特に負担になっていたカスタマー対応も、AIが代わりに答えてくれるようになればスタッフの負担が軽くなり、本来取り組むべき業務に集中できると考えて導入を決めました。
問い合わせ数の抑制に「AIの効果」を実感。顧客対応・社内教育の両輪で、AIを真に「頼れる存在」へと育成する

ー導入後のコスト削減効果について、現時点での実感や今後の見通しを教えてください。
導入してからまだ3ヶ月ほどなので、正直いまのところ『コスト削減を実感している』という段階ではないですね。
ただ、会員数は日々増えているのに対して、問い合わせの件数が大幅に増えていないというのは、AIがうまく解消してくれているケースがあるからだと思っています。もしAIがなければ、問い合わせ数に比例してカスタマーセンターの人員を増やしていかなければならなかったはずなので、そう考えるとすでに効果は出ているとも言えるかもしれません。
現状ではAIが対応できない問い合わせはカスタマーセンターに誘導していますが、今後はAIが答えられる範囲をどんどん広げていって、センターに回さなければならない件数を少しずつ減らしていければと考えています。
ー最後に、今後「AIエージェント」に期待していることがあれば教えてください。
理想を言えば、カスタマーセンターと同じくらいのクオリティで、あらゆる問い合わせに対応できるようになることを期待しています。ただ聞かれたことに答えるだけではなくて、ユーザーの意図をしっかり汲み取って、プラスアルファの提案までできるようになれば、さらに価値が高まると思っています。
それから、今後は社内スタッフの教育にも活用していきたいですね。たとえば規約などをAIに読み込ませておけば、新しく入ってきたスタッフが気軽にチャットボットに質問して、その場ですぐに回答を得ながら勉強できるようになる。そうすれば教育の効率もぐっと上がるはずです。
社内外を問わず、AIがより実用的で頼れる存在になってくれることを期待しています。


